東京でビートルズ『MONO LP BOX』試聴会が開催。実際にLPの音を聴きました


7月29日にユニバーサルが主催する、ザ・ビートルズ『MONO LP BOX』の試聴会に行ってきました。場所は東京八重洲にある「Gibson Brands Showroom TOKYO」 地下1F“マリンシアター”です。

試聴のオーディオは最高のものを


左上からプレーヤー LUXMAN PD-171A、MCモノラルカートリッジ Phasemantion PP-MONO、プリアンプ ONKYO P-3000R、フォノアンプ Phasemation EA-1000、CDプレーヤー ONKYO C-7000R、右にパワーアンプ ONKYO M-5000R2台。それぞれ片チャンネルだけ使用。写真に写っていませんが、スピーカーTANNOY Definition DC10A(2台)
試聴会には、日本に1セット届いたという『MONO LP BOX』がありました。英国のアップルから試聴会のオーディオは、モノラルLPを再生するための最高の装置を用意するよう要請されたようで、この時のオーディオ・リストもアップルに許可を得てのラインナップだそうです。

試聴機材はスピーカーがタンノイを2本、他はすべて国産のオーディオでした。プラーヤーはラックスマンでカートリッジも「モノラル・カートリッジ」です。詳しいリストは右写真に載せましたが、いずれもハイエンドのオーディオです。

ノイマン社VMS80レースによるカッティング

今回の『MONO LP BOX』はCD『ザ・ビートルズ・モノ・ボックス』とちがい、デジタル技術は使わずに、オリジナル・マスター・テープからのカッティングが嬉しいところです。

カッティングには、ドイツ・ノイマン社製VMS80レースが使用されたとのこと。オーディオ機器を提供している会社の人に伺ったところ、本レコードはステレオ・カッティングになるそうです。なんてもモノラル・カッティングはSX-68あたりが最後で、それ以降ではステレオ・カッティングしかないとのこと。

このモノラル盤を聴くには、モノラル・カートリッジのほうがいいそうです。そうすると、あとで書きますがステレオ・カッティングでも、モノラル音は良好でした。

『プリーズ・プリーズ・ミー』と『マジカル・ミステリー・ツアー』の制作について

『プリーズ・プリーズ・ミー』のマスター・テープは、当時のテープ編集のときの接着剤の染みだしによるトラブルで、再生してみると高周波の音が聞えなくなってしまったそうです。その問題を解決するため「音楽のトラックを個々に移し替え」(プレス原文ママ)、新たなアナログのカッティングマスターを作ったそうです。

『マジカル・ミステリー・ツアー』は、LPはそもそもイギリスではリリースされなかったため、A面はイギリス盤EP(モノラル)のオリジナル・テープを用い、B面は、シングルの寄せ集めの構成のため、それらのモノ・オリジナル・テープから作成。こうしてリリース用に新たなカッティング・マスターが作られたようです。

いろいろ聴いてみました

1曲目「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」ではベースもパワフルで、解像度の高い、図太いモノラル音が聴けました。これまでUKオリジナル盤で聴いてきたあの音が出ていると言っていいと思います。

そのあとの「オール・マイ・ラヴィング」「ア・ハード・デイズ・ナイト」は、「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」ほどパワフルではなく音もややダンゴ状態。
しかし、これもUKアナログ盤と同じ音質と言えるわけで、逆にマスタリングに手を入れていないことが伺われ好感を持ちました。

「ノー・リプライ」は、甘くメリハリのあるモノラル音。これも、よく聴くUKオリジナル盤の性質に準じた音色。「イエスタデイ」はまろやかながら太いモノラル音で、とてもGoodでした。

「ドライヴ・マイ・カー」はモノCDと聴き較べましたが、太い音は共通ですが、やはりCDより「まろやかさ」が加わる音色になっております。これもUKオリジナル盤のテイストに近い。 「タックスマン」も良好。「バック・イン・ザ・USSR」も聴き較べたモノCDよりまろやかな肌触りの音になっておりました。

レコード内周の「ツイスト・アンド・シャウト」でも割れない!

時間があったので、主催者の人がリクエスト曲を募ったところ、 ある方が「〈ツイスト・アンド・シャウト〉を聴かせてほしい」とリクエストしました。

この方、分かっていらっしゃる(^-^)

「ツイスト・アンド・シャウト」はLPの最内周で、状態の悪いUKオリジナル盤ではジョンのヴォーカルが割れてしまい、とても残念なレコードが多いのです。

で「ツイスト・アンド・シャウト」を聴いたところ、プレーヤーのトレース性能もいいのでしょうが、それでも音が割れていないです。LP最内周に特有の窮屈感はややあったものの、音を歪まず、割れずに鳴らし切りました。当たり前ですが、やっぱりミント(MINT)でした(^-^)。

ジャケットの再現性



試聴会のあと、レコードを自由に手に取ってみることができました。ジャケットの再現性はほぼ完璧だと思いました。紙質もザラザラ系やツルツル系など、オリジナルUK盤と同じものになっています。

作りも英国レコード特有の裏側にジャケットを折る「フリップバック」仕様のものは、同じ仕様になっています。 『フォー・セール』はオリジナルどおり、中からレコードを出すタイプ。ホワイト・アルバムは上に引き出すオリジナルどおりの仕様でナンバリング入り。

レーベルも『プリーズ・プリーズ・ミー』はゴールド・パールフォン。それ以降のアルバムはパールフォン・レーベル。『マジカル・ミステリー・ツアー』はキャピトルの虹のレーベル

『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のジャケット写真もオリジナルUK盤どおり、シットリした重い色調です。ゆいいつ見開きの閉じ具合が、甘く感じられましたが、今のジャケット技術はこれくらい大目にみないと。


ブックレットは珍しい写真

ハードカバーのLPサイズのブックレットもパラパラ見ましたが、見たことのないセッション写真、資料写真が沢山ありました。重くて厚さは1センチくらいはあったと思います。
3枚組の『モノ・マスターズ』は三つ折り開きですが、そこにも、ライナーと合わせて見たことがない写真がいくつか印刷されておりました。

まとめ

現在UKオリジナル盤はとても高額です。たとえ安い1枚5〜6千円のものがあっても、状態の悪いもので、音質は我慢しなければならないでしょう。ジャケットも朽ち果てたものが多いです。またシングルのUKモノ盤を揃えるのは途方にくれる作業です。それらを考えると今回の『MONO LP BOX』は非常にいい選択肢だと思います(^-^)

国内盤は、日本語ブックレット(英文ブックレット翻訳、解説、歌詞・対訳)、日本語帯付です

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