本『小澤征爾さんと、音楽について話をする』村上春樹著は面白かった。
2012.01.28 Saturday

小澤征爾さんと、音楽について話をする(小澤征爾、村上春樹)村上春樹が小澤征爾にインタビューをして、まとめた本を読みました。インタビューというよりも、二人のあいだで、プライベートにおこなわれた、フランクな話をまとめたものになっています。
二人が会話をしたのは、小澤征爾が身体を壊して療養している期間を中心に、小澤征爾の演奏旅行に同行しての、日本やハワイ、ヨーロッパでおこなわれたマエストロとの会話。
村上春樹の小澤征爾への問いかけは、普通の音楽ライターや専門家のそれとちがって、格段に面白いです。よく音楽雑誌に載っているインタビューのような、表層的なものにならないところが、クラシックを相当聴いている愛好家には(というか、そういう人ほど)面白い話ばかりです。
有名な演奏家について。
小澤征爾が村上春樹に問われるかたちで思い出す話は、クラシックファンには垂涎ものです。若きグールドとの話もそう。バーンスタインがグールドとの演奏会の冒頭で、聴衆にコメントした有名な演奏会も、アシスタントとしてその場にいた話。
あとルービンシュタイン、カルロス・クライバー、ベーム、もちろんカラヤンとバーンスタインなどなど、多くの歴史的演奏家とのつっこんだ思い出話は、「こういう話が聞きたかった」と村上春樹に感謝。
演奏方法について。
ベートーヴェンやブラームス、特にマーラーの演奏方法と解釈について、小澤征爾による具体的でつっこんだ解説。これも音楽シロウトとして(またはそういう立場をとって)村上春樹が、気取りもなく訊いていきます。
これもクラシック・ファンとしては、「そういう、リアルな話しが聞きたかった」と溜飲を下げる思いで読めました。実際の現場(オーケストラ)がどういうふうに、音楽を創り上げていくのか、その苦労と秘密、またはマジックを知ることができた気がします。
あとビートルズのシカゴ公演を聴きにいった話、ユージン・オーマンディの特注の指揮棒を、思わす拝借して怒られた話など、小澤征爾氏のユーモア溢れる逸話も小話として、随所に入れられています。






















